スカートの裾をぎゅっと掴んで、穏やかだけど真剣な観月の目を見つめた。
「その指輪、どうしたの?」
あたしの左手の人差し指にはまったそれを指差しながら、観月は言った。
「あ。これはさっき男の子にもらったんだよ」
指を伸ばして指輪を見せながら答えると、観月は「ふーん」と口を尖らせて相づちを打った。
機嫌が悪いわけではないみたいだけど、観月は「そっかそっか」しか言わない。
言葉が足りなかったのかもしれないと思い、補足しようと付け足した。
「今日ね、あたしとおんなじ病気の子にあったの。 その子にもらったんだよ。」
観月は「え」と目を見開いて固まった。
それから突然バチンッて音がするくらい勢いよく額と目を手で覆い隠した。
「なんだよ~、そういうことかよ~」と唸りながら、何かを悔やんでる様子。
「…かっこわる…」
するとぽつりと聞こえたそんな一言。
「…え?」
悔やんでる観月に呆気に取られて、開いたままの口からつい声が出た。
