「学校サボるってどういうこと?」
クローゼットからテキトーに取り出した白いワンピースに頭を通しながら、ドア越しにいる咲之助に聞く。
咲之助は、あたしがパジャマのボタンを取り始めたら、「出て行って」とも言ってないのに部屋の外へと行ってしまって。
今はたぶんドアの前あたりにいるはず。
「たまにはいいじゃん。 遅刻は何回かあるけど、休んだことはないし。」
くぐもった声で返事が返ってきた。
それに対してあたしは、「ふーん」と、説明不足でいまいち腑に落ちないが納得したような反応をしておく。
「あ、あと着替えとか、それと一応水着とか持った方がいいと思う」
「水着?」
スポッとワンピースを着替え終え、咲之助がいるであろうドアの方を眉をひそめて見つめる。
「一泊二日ぐらいするから」
まさか咲之助は学校サボって泊まりに行くと言っているのだろうか。
皆勤賞も精勤賞も目指してないからあたしはいっこうに構わないが。
咲之助はあのうるさい顧問がいる部活を休んでも平気なのだろうか。
