『ンだよ。その目は…』 そこに居たのは紛れもなぃ…兄だった。 爆裂する脳内… 痙攣する鼓動… 悲鳴すら出ない。 汗臭い刺繍を漂わせる兄の胸板を思い切り突き飛ばした。 突き飛ばしたのは…あたしなのに、バウンドしたのは、あたしだった。 跳ね返った反動でベットに倒れ込む。 本能的に…危険信号を感知した。 “逃げないと” 危機感だけが先走り両足に力が入らない。 這う様に四つ這いになる。 とにかく、非難したかった。 誰かに救助を求めなかった。 救出を待った。 望んだ。