「えっと…ここ三週間咳が止まらなくて…」



震える声がカーテンを揺らした。
手の平の汗が止まらない。
嫌な予感がしたんだ。

そぅ。とても…嫌な予感が…。


「落ち着いて聞いて下さいね。まだ、確実な事は言えないけど…」


白衣の医師の上唇がスローモーションの様に見える。

冷たい汗が垂れた。







「HIVって知ってる?」






目の前が真っ白になった。
そぅ…真っ白に…。