きっと…この悲鳴に耐えられなくなった親が、手を上げるんだ。
そぅ思う。


いつもの街、いつもの人々、いつもの日常がそこにあった。
それが全て…失われるなんて夢にも思って居なかった。
しかし、いま、現実となってあたしの前に立ちはだかる。家族はもぅいない。
きっと…表札に書かれたあたしの名前は無理矢理消される運命にあるんだ。無情にも、容易く。

あたしには行くあても帰る場所も…もぅなぃ。


背後の太陽が、薄気味悪く苦笑っていた。




その日を境に、あたしは歌舞伎町の人間になった。
最期の居場所。最期の聖地だった。
第二の人生が幕を開ける。

丁度それは、縁起よく…18歳の一週間まえだった。