「そぅだったの。泣きな。一杯泣きな。あんたゎ何も悪くなぃ…あんただって被害者なんだから…。ウチが知ってる。」




筋肉美に抱かれ、その大き過ぎる掌に撫でられ、あたしは現でただ壊れた機械の様に泣き続けた。
泣く意味すら、訳すら、もう…理解できない。
ただ…後から後から押し出る液体をえずきながら垂れ流していた。


綺麗過ぎる曲線美を描き、あたしを助手席へ誘導する。
頭を撫でる手はそのままに…

そして、笑う。


「帰りましょ。我が家に。」




ハンドルを握る手に白日の太陽が被さった。
長い指に神経を注ぐ。
あたしゎ…そんな彼が好きだ。

いゃ、そんな彼だった彼女が。





車体は少しバウンドした後…汚い廃棄を吐き元来た道を東京へ走らせた。