高校入学１日前……

私は緊張しながら、これからお世話になる寮母さんに挨拶をした。

私がこの春から通う高校は、遠くから来る人が多いため、寮制なのだ。

強制ではないため、家が比較的近い私は、親に、寮へは行きたくないと断固反対し続けていたが、長い言い合いの結果、親の意見に従うこととなった。


寮母への挨拶もそこそこ、私は自分の名前が書かれた部屋へと向かった。



『横山…横山　夏希…』

「あった！」



私の名前が書かれた部屋は、ベッドも机も椅子も…すべてが綺麗にされた、私が想像してたよりずっと良い感じの部屋だった。

この部屋は４人部屋。私の他にはまだ来ていなかった。

私は姜乃城中学から来たが、同じ学校へ来たのは男子が２人と、私、女子１人だったため、不安でいっぱいだったのが本音だ…。