「小6の卒業式の日の夜から、次に目が覚めたのは、あいつの家だった。」
「あいつ?」
「葛城流衣。」
多分、成にとっては一番嫌いな奴。
「葛城………。」
「目が覚めた時から、あたしはあいつの女だった。」
「そんな………。」
「疑わなかった。」
「え?」
「確かに、目が覚めたらあいつが居て、不安になったりする筈だけど、それも無かった。」
「………。」
「信じきってた、流衣の事。」
「………。」
「疑わなかった、1年間監禁状態でも。」
「え?監禁………?」
「うん。まぁ、それは置いといて。」
「置いといて……ってっ!」
「16の間はずっと監禁状態だったと思う。会えるのは、流衣と流衣の親父さん、後は、幹部の奴等。」
「なんで………、」
「監禁状態だった間に、喧嘩の仕方習った。それから、17の誕生日の時に1年振りに外出た。」
「………。」
「外に出て、一番初めに行ったのが、"黒桜"の本拠地だった。そこで、あたしは幹部に任命された。」
「幹部!?」
「うん、"黒桜"唯一の女。」
「"黒桜"に女が居るなんて………。」
「うん、聞いた事無いと思うよ。あたしは男として通ってるから。聞いた事無い?strong cherryって。」
「知ってますよ、入って1日で、幹部就任、"最強の桜"と言われ、名前も知られない、男として。」
「それが、あたし。」
「まじですか………?」
「うん。」
成は信じらない、と言うような目であたしを見た。

