ベッドから起き上がった。
ふと、隣に居る流衣を見る。
「…………ごめん。」
「…………。」
洋服をかき集めて、そのまま着た。
外に出ようと、ドアノブに手をかけると、
「2日だ。今日入れて、2日であの男と切れ。切れなかったら、その時は従ってもらう。」
話しかけてきた流衣に何も言わず、外に出た。
外は若干明るかった。
成、寝ちゃったかな。
晩御飯、作ってあげる予定だったのにな。
通りかかったタクシーに乗って、マンションへ帰った。
部屋に入ると、リビングの電気が付けっぱなしだった。
起きてるの?
あたしは勢いよくリビングのドアを開けた。
「…………成。」
そこには、
椅子に座りながら、テーブルに突っ伏して寝ている、
成の姿があった。
「…………成、ごめん、ごめん!」
あたしは後ろから抱き着いた。
「…………ん?うわっ!」
後ろから抱き着いてるあたしに気付いたっぽい、成。
「華奈さん…………。」
「成、ごめんね。」
「華奈さん。」
成はあたしの腕を優しく、離した。
そして、立ち上がって
また優しくあたしを抱き締めた。
「成…………。」
「華奈さん、お帰りなさい。」
「ただいま。」
「大丈夫でしたか?」
「成、ごめん。」
「俺は大丈夫です。」
「成…………、聞いて欲しい事がある。」
あたしの声は多分震えていた。
成の体を離して、
手を引っ張って、ソファに2人で座った。

