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「お疲れ様です!」



「うん、お疲れー。」




一仕事終えたあたしに頭を下げる下っ端。



「華奈。お疲れ様。」



幹部部屋に入ると、和治(カジ)に声をかけられた。



「ん―。」



「シャワー浴びれば?」



和治はそう言って、返り血を浴びてるシャツに目を向けた。



「……汚ね。シャワー浴びてくる。」



あたしは、シャワー室へ行った。




ガチャ。



ドアを開けると上半身裸の男。



「ノックぐらいしろよ。」



眉間に皺を寄せながら言った、夏騎(ナツキ)。



「ごめん、ごめん。でも、あんたの裸見たって減るもんじゃねーだろ。」



「うるせぇな。一言多いんだよ、華奈は。」




夏騎を無視して、棚からタオルと服を出す。




服を脱ごうと手をかけた時、隣から視線を感じた。



「何。」



「俺の裸見られたから、俺もお前の裸見よ―と思って。」



「……馬鹿じゃないの?欲求不満?」



あたしは鼻で笑いながら言った。



「ちげぇよ。女は間に合ってる。」



「だったら早く出てけよ。」



あたしが睨むと、夏騎は「はいはい」と言いながら、シャワー室を出ていった。