「でも……、兄貴にもやっぱり秘密はあるみたいです。」
「そうなの?」
「兄貴、中3の頃から一度も女作らないんです。」
え!?
「なんか、中3の頃になんかあったみたいなんですよね。」
「…………あんたがいくつの時?てか、今いくつ?」
「あれ?言ってなかったでしたっけ?」
「うん。」
「俺は16です。華奈さんは?」
「18。て事は兄貴に何かあったのは、あんたが中1の時でしょ?」
「はい。でも、俺その時丁度入院してたんで。」
「え!病気?」
「まさか!骨折です。」
「びっくりした。」
「はは。何か学校で階段から落ちちゃって。全治3ヶ月。」
「大変だったんだね。」
「その頃からです、兄貴が笑わなくなったのわ。」
「笑わなくなったの?」
「はい、今も笑いません。」
「その、中3の時の事が原因だと思ってるの?」
「はい。」
「聞かなかったの?」
「聞いたんですけど。教えてくれなくて。」
「ふーん。いつから族に入ったの?」
「中3の時です。"黒風"はそういう決まりなんで。」
「今は幹部なんだよね?」
「はい。一応。」
「にしては、喧嘩弱くない?」
「あ、あれは、酔ってたんです!」
「そうだったんだ。」
会った時寄ってたっけ?
1時間くらい寝てたから、酔いが冷めてたのかな?
成の話は時々ふに落ちない時があった。

