階段を登ると、 下とは比べ物にならないくらい広くて綺麗な空間だった。 「おい、こっちだ。」 奥の鏡の前にレイは居た。 近づくと、 「座れ。」 そう言って椅子を引いた。 あたしは黙って座った。 「メイクするぞ。目瞑っとけ。」 言われた通りに目を瞑った。 レイが、そんなあたしを見て 切ない顔をしていたとも知らずに。