真っ直ぐ歩く事も困難なほどの人混みの中、俺達は大通りを通って街の中央広場へ。

広場の噴水でティアと話す。

「私は北米大陸行きの乗船券を買ってくるわ。コウはここで待っててもいいし…折角だから街を見て回っててもいいわよ?」

「え、いいのか?」

俺は目を輝かせる。

「うん。どうせ船の出航までには時間もあるしね。そうね…」

ティアがホットパンツのポケットから懐中時計を出す。

「今から一時間後にこの中央広場の噴水の前で落ち合いましょう。それまでは自由行動。迷子になるんじゃないわよ?」

「わかってらぁっ」

言いつつも、俺は軽い足取りで駆け出す。

住んでいた村では見た事もないほどの店舗や人混み。

じっと待ってなんていられなかった。