村を出てから最初の目的地である港町。

「ここから北米大陸に向かう船が出港しているの」

街の入り口に立ったティアが言う。

つまりこの中国大陸の玄関口とも言うべき街。

通りには多くの旅人、商人、冒険者が溢れ返っている。

唯一の港なのだ、人が集まるのも当然だった。

「ここにいる奴ら、みんな北米大陸に向かうのかな?」

キョロキョロする俺を見て、ティアがクスリと笑う。

「そうとも言い切れないわね。他所の大陸から持ち込まれた品物を買う為に街に来た人もいるだろうし、逆に北米大陸からこの街に来た人だっているかもしれない」

「そうか」

頷きながら、俺はすっかり田舎者丸出しで周囲を見回していた。