寺院のある岩山に沿った砂利道を下る。

5歳の時から12年間、毎日のように通ってきた道だ。

道中すれ違う村の人達に朝の挨拶を交わす。

「やぁコウ、今朝も体術の稽古かね?」

「ああ、毎日続けないと強くなれないからな」

「そうかい、ならこれ食って丈夫な体作りな」

村人がくれたのは、近くの川で釣った魚だった。

「悪いな、有り難く頂くよ」

笑みを返し、俺は砂利道を駆け下りた。