「なぁティア」

早くも焦れてきて、俺はティアに声をかける。

「次の村とか街はまだかな。もうこんな風景飽きちまってさ」

「何言ってるのよ」

ティアが肩越しに俺を見る。

「この先は海沿いまで村や街はないわよ。二日間は野宿しながらの旅だから覚悟しておいて?」

「…っっっ…」

事も無げに言ってのけるティアが悪魔に見えた。

こんな危険な土地で野宿だって?

村に住んでいても、時折捕食動物の襲撃があって大騒ぎになるっていうのに!