拳を単発では止めない。

左右の拳を矢継ぎ早に繰り出す。

右拳、左拳、右肘、右膝、後ろ回し蹴り、上段回し蹴り!

最後に…「はぁっ!」

飛び後ろ回し蹴り!

びゅん!と空気を切り、蹴り足は仮想敵を見事に打ちのめした。

「ふぅぅぅ…」

両手を合わせ、合掌し、大きく、ゆっくりと息を吐き出す。

…今日の修練はこのくらいにしておこう。

俺は額に滲み出た汗を拭い取った。