Treasure!

彼女は疲弊し切り、首を項垂れさせたまま立っていた。

正確にはへたり込む事すら許されていなかった。

恐らくはローチが吐き出したのであろう粘液。

その粘液によって手足を石柱に固定され、磔のような形にされている。

身動きが出来ず、座る事も倒れる事も許されず、この場に囚われの身になっていたのだ。

左足には、乾いた血の痕が残っていた。

ローチ達に捕らえられた時に抵抗したものの、返り討ちに遭い、負った傷なのだろう。

ショートブーツもその時脱げたようだ。

「大丈夫か、ティア!」

俺は彼女に駆け寄り、拘束している粘液を力任せに引き千切る!

既に硬化しつつあった粘液だが、俺の力ならば何とか引き剥がす事ができた。

「…コウ…?」

疲れ果てた表情で、俺を見上げるティア。

衰弱はしているものの、何とか無事なようだ。