Treasure!

迷う筈もない。

地面に這い蹲り、這いずるようにして、俺は洞窟内へと入っていく。

…途端に覚えのある臭いがした。

腐肉のような悪臭。

ローチの体臭だ。

気を引き締める。

ここにはローチが潜んでいる。

元来ローチはゴキブリの習性を色濃く残していて、物陰や狭く湿気の強い場所に潜む傾向がある。

そういった場所に卵を産み、繁殖する種族だ。

ならばこの洞窟が、ローチの巣穴である可能性もあった。

生憎と灯りになるようなものは持ち合わせていない。

不用意に灯りをつけると、こちらの居場所を特定される危険性もある。

決して視界のいい状況ではなかったが、俺は自らの視力だけを頼りに、暗い洞窟の中を匍匐前進した。