ティアの言う事はもっともだった。

捕食動物、巨大爬虫類、そして『奴ら』…。

この土地には危険が常に付き纏う。

実を言うと、この村からも少しずつ人は減っていっている。

多くの人達が危険なこの村を捨て、安全に暮らせるエイプの領土である北米や、ヨーロッパに移っているのだ。

いずれはこの村にも人はいなくなり、無人と化すだろう。

「コウは、ずっとここにいるの?」

ティアが澄んだ瞳で俺を見る。

「ねぇ、コウ…私と一緒に、世界を見に行かない?」