ティアが二杯目の茶をぐい飲みに注ぐ。

「700万くらいで驚いてちゃ駄目よ。世の中には1億2億で取引される古代遺産だってあるんだから」

「はぁー…」

村で細々と用心棒をやっている俺には考えられない世界だ。

「ティアは凄いんだな。そうやって世界中を見て回ってるんだな」

「私に言わせればコウの方が凄いけどね」

ティアは頬杖をつく。

「何で中国なんて危険な土地で暮らしているの?ここら一帯はエイプの支配域でも『奴ら』の支配域でもない…いつ襲撃されてもおかしくない激戦区でしょ?」