それは突然の事だった。

「上陸部隊より報告!」

伝令の兵士が、顔色を変えてすっ飛んできた。

「南米大陸に上陸した掃討部隊第5から第18中隊が、ローチの反撃に遭い壊滅!」

「ば、馬鹿な!」

軍人が血相を変えて叫んだ。

「奴らにネオニコチノイドを浴びせた筈だ!」

「それが…」

伝令の兵士は狼狽する。

「ローチどもは薬品散布の間、その半数が地下深くの巣穴に潜んでいた模様!生き残ったローチどもが、次々と上陸部隊を壊滅させています!」

報告を受け、愕然とする軍人。

…俺の嫌な胸騒ぎは当たってしまった。