Treasure!

「コウぅぅぅぅっっ!!!!」

静寂の世界に響いてきたティアの声でハッとする。

途端に世界は元のスピードに戻る。

頭上には今にも振り下ろされようとしている刀。

止めなければ!!

俺は咄嗟にその刃を両手で挟み込むように掴む!

俗に言う『真剣白刃取り』。

一瞬とはいえ、死を覚悟した。

その死に際の集中力が、こんな高度な技を成功させたのだ。

誰よりも驚愕したのは俺自身。

そして同じように、ティアもスカーフェイスも驚愕している。

あの素早いスカーフェイスの動きが止まっている。

千載一遇のチャンスだった。

俺は目前のスカーフェイスの腹部に拳を添え、『勁』を伝える。

床を踏み砕くほどの踏み込みを、足首から膝へ、膝から腰へ、腰から肩へ、肩から肘へ。

最後に肘から拳へと伝達。

その伝わってきた激しい力の流れ…『勁』を、スカーフェイスの腹部へと叩き込む!

寸勁!!