Treasure!

怒りに任せての、左右の拳の連打!

だがそんな荒削りな攻撃はスカーフェイスには通用しなかった。

そもそもゴキブリを祖とするローチの動きは素早い。

こちらの動きが読まれているのであれば尚の事だ。

かわされ、避けられ、回避され。

致命的にも背後をとられる!

ゾクリと背筋を走る戦慄。

咄嗟に振り向いた瞬間、スカーフェイスの振り下ろす凶刃が頭上に降ってくる!

……死ぬ…!

一瞬、目の前が凍りついたように見えた。

音も、色も、スカーフェイスの攻撃も、全てが止まったように見える。

なのに、俺の体も凍りついたように動かない。

このままでは両断されてしまうのに、体が動かない…!

これが死に際のストップモーションの世界か…。

妙にさめた頭の中で、そんな事を悟っていた時だった。