Treasure!

「コウ!」

ティアの悲鳴が聞こえた。

吹っ飛ばされながら視線を下に。

眼下に見えるのは、暗闇。

どこまでも吸い込まれそうな暗闇。

そしてその暗闇に真っ逆さまに転落すれば、俺は確実に死ぬ…!

「冗談じゃない!」

俺は咄嗟に尻尾を伸ばし、窓の縁にその先端を引っ掛ける!

自重が尻尾一本にかかり、千切れそうなほどの痛みと負荷がかかる!

それでも放さない。

放せば奈落の底へ落ちるだけだ。

「コウ!?」

悲鳴にも似たティアの声。

「お…俺は無事だ」

何とか窓の縁を両手で掴んで、上体を辛うじて引き上げる。

…78階のフロアでは、グルカナイフを構えたティアと、同じようなナイフを手にしたローチが対峙していた。