Treasure!

俺の目の前で、頭部の長い触角をひくつかせるローチ。

ローチはエイプに比べると知能は低く、言語は使わないが、代わりに同種族間では触角による意思の疎通を交わす。

恐らくは今も、どこかに潜んでいる仲間達と交信を交わしているのだろう。

仲間を呼ばれると厄介だ。

幸い相手は一人。

ここで決着をつける!

俺は一気にローチの間合いに踏み込み、中国拳法を象徴する技、崩拳(中段正拳突き)を放つ!

完全にローチの柔らかな腹を打ち抜くタイミングだった拳は。

「!!」

ローチの跳躍によって回避される。

素早い、そして驚異的な跳躍力だった。

ローチの翅は退化して飛翔は不可能だが、短時間の跳躍程度なら可能。

空中戦に関して言えば、エイプよりも優れた能力を持っていた。