Treasure!

地上1階、2階、3階…。

俺達は何事もなく、順調にエンパイアステートビルを昇っていく。

荒れ果てた建物内。

窓が割れ、壁がひび割れ、ところどころ床が崩れ落ちて吹き抜けになっている。

本来なら電気が通って稼動している筈の昇降機…ティア曰く『エレベーター』というらしい…も、通電していない今となっては只のお飾りだ。

当然灯りもなく、真っ暗な建物内。

日が暮れてくると、その通路はますます暗くなる。

「やっぱりランプでも持って来るべきだったわね」

ティアがポケットの中から、火をつける為の装置…オイルライターを取り出して灯り代わりにした。

心許ない炎だけど、ないよりはマシだ。

それよりも。

「……」

上へ向かうにつれて、俺は警戒心を強くしていた。

ティアには言わなかったが、嗅覚の鋭い俺は、微かな臭いを嗅ぎ取っていた。

生臭いような、鉄錆じみたような臭い。

…血の臭いだった…。