Treasure!

具体的には言えない。

だけど、この建物の気配…悪党の巣窟という割には、何というか…獣の檻に入ったような危険な雰囲気が感じられない。

大勢のならず者が潜んでいるのならば、どこかから監視されているような独特の緊張感がある筈なのに、それがない。

それどころか、何かに脅えるような気配…何かを恐れて身を隠しているような気配すら感じる。

泣く子も黙る悪党どもの巣だというのに、何に脅えるというのか。

「コウ…?」

ティアが不安そうに俺の顔を見る。

「…行こう」

俺は一歩踏み出した。

もう少し進んでみなければ、状況が分からなかった。