Treasure!

悟られないように、気づかれないように。

一定の距離を置いたまま、俺は女の後を尾行する。

…案の定。

女の足は寺院へと向いていた。

この村で唯一の遺跡。

寺院の奥には、まだ手付かずの貴重な古代遺産が残っているという。

それを狙って、いまだハンターや盗賊の侵入は後を絶たない。

…この女もその類なんだろうか。

歩きにくく足場の悪い砂利道だけど、毎日修練を積み重ねている拳法…その中の一つにあった歩法の体術のお陰で、音も立てず、気づかれる事もなく、俺は女を尾行することが出来た。