Treasure!

「コウ」

ティアが小さな声で俺に呟く。

「逃げましょう。奴の言う通りになんてする必要ないわ」

…彼女はそう言うが、俺には男から逃げおおせる事は不可能に思えた。

男との距離はそんなに離れていない。

加えて男の身に纏う雰囲気…あれは普通じゃない。

要求を呑まなければ力ずくでも言いなりにする。

あれはそういうタイプのエイプに思えた。

俺達が背を向けた瞬間に腰のナイフを抜き、背後から接近して刃を突き立ててくる。

無防備に隙を見せるには危険すぎる相手だった。