「え−?!お母さん、柚来(ユキ)ちゃん家に行っちゃったの?!」

家に帰ったアタシを出迎えたのは
妹の岬(ミサキ)だった。
岬はアタシの7つ下の妹
いつもニコニコ笑ってて、すごく素直な自慢の妹

「夕ご飯は冷蔵庫にあるの、お姉ちゃんにチンしてもらって!って言ってた」

「そう(汗)あ、渚は?」

アタシは辺りを見渡す
いつもならソファーに座ってテレビ見てんのに

「お兄ちゃん、まだ帰ってきてないよ?」

「え?」

キョトンとした顔で応えた岬を見て
一瞬、固まってしまった
あの後、争介たちと分かれた後
アタシは1人で近くの古本屋によった
気がつくと7時を廻っていて、急いで帰ってきたのだ

アタシは時計を見上げた
8時40分
渚にしては…遅い