大空で駆ける

「そんな汗かいてくんなら、遅刻した方がマシだと思うけど」

確かに…

「近寄んな〜」

「千尋!」

うちわでわざとらしく口元を隠し、女の子みたいな格好をしている千尋の
今度は机をガンっと蹴る。

「おわっ、テメー」

バランスを崩した千尋を見計らうように教室の前扉が開いて担任が入ってきた。

「おら−席つけ−
中森〜机に座るな!」

「やべっ」

ひょいっと机から下りる千尋。