カバッ


「はぁっはぁっ…また、あの夢…」


額に汗をかき


乱れる呼吸を整えながら私は目覚めた


ミャーミャー


「シャルミー、帰って来てたの…。ごめんね起こして」


隣には、いつの間に帰って来たのか


愛猫のシャルミーが心配そうにすり寄ってきた。



「シャルミー。あなただけは何処にも行かないでね…」


ニャ~


もう誰も失いたくない…


お母様と兄様を奪われた私には


残されたお父様とシャルミーだけが家族…


「そろそろ起きないと遅刻しちゃうかな…」


抱えていたシャルミーを下ろし


制服に着替えた。


お母様譲りの綺麗な漆黒の髪を一つに束ね

眼鏡をかけた。


別に、目が悪い訳じゃない


ただ…


私は人間とヴァンパイアの血が通った子


兄が連れて行かれたのはヴァンパイアの血が強かった為


反対私は人間側の血が強かった


だから私は殺される側だった…


でも、さすがにヴァンパイアの血を隠す事は難しい


私は成長して行くにつれ


恐ろしいくらい母に似てきている…



ヴァンパイア側にバレれば


私達の存在は邪魔となり確実に殺される