生人の部屋のドアを開けるとメガネをかけていた生人の姿があった。



私はチョコが入っている袋を体の後ろに隠し、生人にこう言った。



「ねぇ生人」



『ん。またどーせバレンタインチョコを持って俺の家に侵入したんだな。』


敵の大将が私の気配を感じ、脳天に弓矢を刺された気分みたいに生人に即バレだった。


「あっ....。そうだね!ってちょっと待って!!私は侵入なんかしてないもん!」



『はい紗希さん毎年毎年チョコレートをくれて有り難うございました。お礼に...「うわぁッ!何その人を馬鹿にしたような言い方!!!!」



生人が喋っている最中に口出しをしてしまったので『お礼に....』からは私の声と生人の声がハモったか全然聞こえなかった。