オレンジ

(ジリリリリリ――)
・・・・

母)「・・・か!央!」

央)「!!!今何時!!
   えっ、もうこんな時間!
     遅刻だぁぁぁぁぁ」
母)「早く仕度しなさい」


ーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

央)「いってきまーす」

やばいよぉぉぉぉ
あと5分で遅刻だぁぁ

どおしよう・・・
普通に行ったらここから15分はかかる
はしっても10分・・・


5分じゃ無理だぁぁ

央)「あっっ!」

その時、あたしの目の前を
あのチビが自転車で通って行った。

央)「尚・・・君。」


っ!何見とれてんだ!あたしは。
なにが「君」だよ!

いまはそれどころじゃない!それどころじゃ・・・。

家、近いのかな・・・?

って、だめだめ。
あんなチビ、あたしの理想と程遠いし。



(ガラガラ)
先生)「はい、おはようーー」

朱音)「央、ラッキーだね。
    自分が遅刻した日に、先生が遅れてくるなんて」

央)「・・・」

朱音)「央ーー?」

央)「ん?っあ!!うん!!ほんと今日ついてるかも」



あのチビ、なんであんな時間にあそこに?
確かに、1中と3中は近いけど。

あたしはいつも、結構早めに学校へは行くし
遅刻なんてしたこと無かったから。


いつも、あの時間にいるのかな・・・。

あーーー、もう、あたしってば。
なんであいつのことなんか。

だめ!あいつはあたしの存在にすら気付いてないんだから。