「お前、好きな奴、いんの?」
なんとなく篤樹に聞いてみた。
「ごめん。俺、ゆきと付き合ってんの」
しばらく動けなかった。ショックだった。失恋したことに対してじゃなく、何も知らなかったことに対して。
だから俺は誓った。
ゆきへの気持ち、隠しておくって。
だって、それが一番だから。
―――初めての隠し事だった。
俺は、親友だと思ってるから。
篤樹のこと、親友だと思ってるから。
三人でいるときが幸せだよ。
ずっと三人でいたいから。
俺、ゆきのこと好きだったよ。
笑ってるときの顔とか、すげー好き。
だから俺はこの想いを伝えないことにした。ゆきの笑顔、守るために…。
アノトキ俺ガアンナコトシナケレバ
ユキハズット笑ッテイタノカナ?
初めて
ゆきの泣き顔を見たんだ…。
