【完】宛先不明のラブレター



「…親、連絡しないとうるさいの。 もう私、ハタチになるのにさ。」

「…果枝が心配なんだろ?娘なんだからさ」

「娘にしてみれば、過保護にしか思えないけどね。」


果枝の一人称が変わっていることに、3年の長さを感じた。

こうして話しているとあの頃と変わらないのに、言葉の端々に俺の知らない果枝が居た。




…たった3年。

けれどその3年で、人は、果枝は、多かれ少なかれ変わってしまう。


それはわかっているけれど。


それでもやっぱり、何となく寂しかった。




「…じゃ、行こう」


寂しさを忘れるため、再び果枝の手をぎゅっと握って、俺の家へと歩き出した。