唇は離しても、果枝の腰を抱いている手はそのままで、俺達はしばらくの間見つめあったまま動かなかった。 …果枝が、俺の目の前にいる。 こんな幸せなこと、あってもいいんだろうか。 鼻の奥がつーんとする。 目の奥が熱い。 なんだか泣きそうだ。 この手に感じる感触が、まだ信じられなくて、俺は果枝をぎゅっと抱きしめた。