茉莉が泣いているのに気付いてはいたけれど、あえて気付いていないふりをしていた。 「…この約束は、守ってよね。守ってくれなかったら、許さないから」 茉莉はそう言うと小指を離し、ぐいっと乱暴に顔を拭って俺に再び笑顔を見せた。