「…俺はだめだよ。」 「なんで、」 「…、……果枝ちゃんは好きだけど、俺には、…妻がいるから。」 「……!」 「妻を、愛してる。 妻、…茉莉(マリ)を、一生愛すと約束したんだ。」 そう言うと、聡さんはあたしから手を離して顔を上げて空を見上た。 顔を背けられていて、その表情はわからない。 …隣にいるのに、どうしてこんなにも彼を遠くに感じるのだろうか。