空から視線を前方へと戻し、足を動かしながら仕事場に向かっていて、ふ、と考えないようにしていたことが頭をよぎった。 もう、来ることはないだろう彼女のことを。 …これでよかったはずなのに、胸がちくりと痛む。 気のせいだ、と思っても1度考え始めると止まらなかった。 果枝ちゃんの顔が頭をよぎる。 …笑顔を思い出せない。 頭をよぎるのは、昨日最後に見た、泣き顔だった。