…俺は、今ならはっきりと言える。 この日果枝を初めて見た瞬間に、恋に落ちたのだと。 自分には茉莉という妻がいることすら忘れてしまいそうになるくらい、胸に走ったあの衝撃が合図だったのだと。 あの頃は、そんなことに気付くこともなかったけれど。