「…ここって星がすごく綺麗に見えるよね」 いきなり思い付いたように、前触れなく聡さんが呟いた。 「はぁ、まぁ、」 「今の子供は星には興味ないの?」 「今の子供、?」 「果枝ちゃんは、興味ない?」 あたしの機嫌が悪くなったのを察知したのか、すぐに『果枝ちゃん』に直す聡さんに少し笑いがこぼれた。 反射的になんだろうけど、ほとんど知らない、ましてや上司でも何でもないあたしの機嫌をとろうとしたみたいだったし。 …まぁ、今そうさせたのはあたしなんだなけど。