「さてと。あとはゆっくり頂きますので。マリア君はもういいですよ」

「待っているでしょうから」

「首を長くして……ってとこだな」



なんか、妙な連帯感がお三方を支配している気がするのは気のせいでしょーか？



「素敵なバレンタインを」



ガブリエル様の言葉の意味は女子専用な気がするが。

まぁ、この際、そんなイベントごとに乗っかっちゃってるんだし。
素直に聞いておくかな。


オレは急いで家へと引き返す。



はたして、あの天使様は。
お三方の言う通り。

『首を長くして』
『待っている』んだろうか？



いやいや。
首を長くしてって言うよりは。


仁王立ちしてこう言うはずだ。



『どこへ行ってた、バカテンシン』


見えた実家の門前に。


想像通り、不機嫌な顔をして。
仁王立ちした名古屋巻きの天使様。


そして一言。



「どこへ行ってた、バカテンシン」