「開けるのが勿体なくなりますね」


隣からボブカット美青年が顔を出す。

っていうか、どうやってこの人と連絡取ったんだ?


いや、この保健医さんなら本屋に直接行って強引に連れてくることなど簡単そうだけど。



「へぇ……これは楽しみ」


覆面店主も手を出して、オレのティラミスを受け取った。


「じゃ、いただきましょーか?」


保健医様の音頭で三人が一斉にあけ、手にしていたプラスプーンで一口分を掬い。


同時にお召し上がりになりましたよ。



えっと……


今呑み込んだでしょ?
呑み込んだよね?


つーか、なんで誰も何も言わないの!!


まずいってことか?
やばいってことか?

不合格ってこと?


じーちゃんは『美味』って言ってたけど……



確かに霊魂の言うことなんざアテにならんけど。



お願いだからなんか言って!!