とにかく。
さっさと食べてもらって『合格』って言ってもらわないと。


あの天使様に隠れて、こっそり出てきたからな。


「おーい、マリアくーん」


たいやき屋の前で大きく手を振る超絶美形。


人通ってなくてよかった。


っていうか、人通ってなくても『マリアくん』はやめていただきたい。


「待ってたよー♪」


なんか、めっちゃノリノリですね。

そりゃそうだ。


この人オレにレクチャーしてくれたんだしな。



「はい、これ。ジブリール先生の」


とりあえず人前ってことで。
本名で呼ぶのはやめておく。


「あら? カワイイラッピング♪ これもマリア君がやったの?」

「まぁ……スーパーじーちゃんにレクチャーされながらっすけど」


あのじーちゃん。
なぜかそんなもんまでできるんだよな。

『乙女心を鷲掴みにするのは素敵なプレゼントを贈るオノコじゃよ』

なーんて自慢げに言ってたが。
あの人、生涯独身だったから。
あんまり説得力はない。