あー。


作る前からオレ、がっつりテンション降下中ですけど。


「これで材料も揃ったし。あとはおまえの腕と気持ち次第だな」


にやり。

意地悪スマイル全開中。


ほらね。
この笑顔だよ。

こんなんしかしない人の。
素敵笑顔なんてオレ、浮かばねー。


『おい、真理矢。おまえ、伝えんくていいのか?』


不意に背後で聞きなれたしゃがれ声がした。


振り返らなくても分かる。


派手なアロハに身を包んだじーちゃんの霊がふよふよ浮いているに違いない。



「兄貴が呼んでました。団子作りを手伝ってほしいそうです」


オレの伝言に、ミカエル様は真顔になると「わかった」とだけ返事して、そのまま母屋へと飛び出していった。


なんなんだ?

そんなに団子作り、手伝いたかったのか、あの天使様。


『わかっとらんのぉ。ほんとにおまえはダメダメだのぉ』


飛び出していった天使様の後ろ姿を見送るオレに、与一郎じーちゃんはそう言った。