「ねえ三田、真田幸村って?」
 
 
“…”
 
 
「橋口ぃ…お前なあ…」
 
 
―とりあえずこの外人、一体何なんだ?さっきテレビでやってた犯罪もこいつの仕業なんかな…?
 
 
しかし男はそんな三田の心中を見透かしたかのように話し出した。
 
 
“まず、このところこの国で起きていること、から話せばいいか?そうすれば君も私、いや(我々)を分かってくれるだろう。”
 
 
「(我々)?やっぱりお前さ、犯罪組織とかそんなんじゃねぇの?」
 
 
“いや、断じてそれは違うし、私も同志である(我々)も犯罪は犯していない。それだけは分かって欲しい。”
 
 
「突然人様の足元に包丁投げつけた上に、自分を真田幸村なんていう外人をどうして信じろっていうんだよ?」
 
 
“……とにかくだ、ここから少し離れた処に我々のアジトがある。来てくれ、そして話を聞いて欲しい。”
 
 
「三田…この人、アブないけど悪い人じゃないんじゃないの?」
 
 
「仕方ねぇ。連れてってくれよ、そのアジトとやらに。」