放課後。
 
 
三田晃一と橋口愛は先程の約束通り…といっても三田がツカツカと前を歩き、その後ろを橋口が小走りでついていく、という構図ではあるが一緒に帰っていた。
 
 
[それではお昼のニュースです。今朝、東京都香南市の…]
 
 
―ん?
 
 
ふと、三田の目が電器屋のテレビに釘付けになった。
 
 
「おうっ!?」
 
 
「いったーいっ!!」
 
 
立ち止まった三田の背中に、三田に追い付くことしか考えていなかった橋口が激突し、二人とも素っ頓狂な声をあげる。
 
 
「…三田君?」
 
 
「橋口…今テレビでやってるの…この辺じゃねえか?」
 
 
―思えば今日は朝からパトカー、救急車のサイレンがひっきりなしだった気がするな。
 
 
[…犯行現場となったアパートの一室ですが、室内のドアは全て破られたか吹き飛んでおり、テロとの関連性も…]
 
 
「急いで帰ろう、走るぞ。」
 
 
「えっ…ちょっと、」
 
 
三田が戸惑う橋口の腕を半ば強引に掴み走り出そうとしたその時、風を切る音と共に一丁の包丁が三田の足元の舗装道路に刺さった。
 
 
「!?…!!!」