『この男が例のアレで間違いないな?』
 
 
ゴーグルをかけた男が刀を構えたまま、同じく刀を構えた横の男に尋ねる。
 
 
《はい、ヤツが例の計画での生き残り達の中の一人です。》
 
 
『そうか…まだ若いのにな…可哀想だが仕方がない、全員、注意してかかれ!』
 
 
ゴーグル男の声を皮切りに黒尽くめ達は囲んだ青年目掛け刀を振り下ろそうと走り出す。
 
 
「…」
 
 
『!!!』
 
 
最初に青年のもとに駆け寄った者が持つ刀を横へ凪ぎ払おうとしたその時だった。
それまで立ち上がったまま周囲を一瞥しただけで全く動かなかった青年が、刀の切っ先が到達する前に突然垂直に飛んだのだ。
 
 
「数は少ないわ遅いわ、ナメられてんのかな俺?」
 
 
青年は吐き捨てるように呟きながら、そのまま空振りした男の上へと飛び乗り、俯せに倒した。
 
 
『グウッ!!』
 
 
そして、そのまま倒れた黒尽くめの背中へと短剣を突き刺し、抜いたと同時に一気に青年は赤いシャワーを浴びるが全く気にせず立ち上がった。
その姿に戦慄を覚えた黒尽くめ達は全員切りかかるのをやめ、後ろへ後退しだした。
 
 
「3分もあれば…」
 
 
『クッ…化け物が!!』
 
 
「お前ら、終わるぜ!!」